「子どもの貧困の社会的損失推計」 レポートby 日本財団

日本財団がシンクタンク(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に依頼して昨年12月できたレポートです。2000円程度の本を読んだ価値があるレポートです。

 

このレポートの中で一般的な主張のほかに注目されるのは以下の通りです。

 

投資対効果という観点から興味深いエピソードを紹介したい。当初のシナリオ設定にお いて、高校中退率は現状シナリオと改善シナリオの間に差を設けていなかった。しかし、 様々な検討を経る中で、改善シナリオにおいて高校中退率が非貧困世帯並になると仮定し て改めて推計したところ、その効果は高校進学率のみを改善した場合以上であることが判 明した。生活困窮者自立支援法に基づく施策は、生涯所得の大きな分岐点である高校進学 に重点を置いた支援が中心だが、このエピソードから高校中退予防支援の重要性も示唆さ れる。

 

高校中退率の問題を提起したはじめての言説です。大学中退も含めて、考えてみたい論点です。