朝日です。
東京理科大は大学院の博士課程に入った学生が支払う授業料などについて、全額を実質無料にする方針を決めた。来年度から始め、在学生も対象となる。無条件で全学生を「タダ」で受け入れるのは極めて珍しいという。
大学によると、博士課程では、初年度の入学金30万円のほか、施設設備費18万円と授業料約80万円が毎年必要で、3年間で計約320万円かかる。来年度からは入学金と施設設備費を免除し、授業料相当額を返済不要の奨学金として給付する予定だ。
同時に、学生への経済援助も充実させる。
博士課程の学生のうち3割程度を「リサーチアシスタント」として大学が雇い、年105万円を払う。また、「テニュアトラック制度」を設けて、若手研究者を年3人程度試しに雇い、初年度に1千万円の研究資金を提供する。一定の研究成果を残せば准教授などの正職員に採用する。
こうした支援をすることについて、森口泰孝副学長は「優秀な人材が集まり、理科大の研究力、世界的な名声が高まる。結果的に学部への志願者も増える」と説明する。優れた研究成果を生めば、企業と連携して収益につなげることも期待できる。
「世界の理科大」を標榜(ひょうぼう)する東京理科大は、授業料収入に依存しすぎない、米国のマサチューセッツ工科大(MIT)のような経営を目指している。研究成果をビジネス化することにたけ、企業との共同プロジェクトの多いMITの依存度が9%なのに対し、東京理科大は70%だという。
現在約280人の博士課程の学生を、将来的に500人程度まで増やしたい考えだ。5年で約40億円の支出増を見込む。
文部科学省や日本学生支援機構の大学院や奨学金の担当者は「全員無条件で実質無料の大学院は、聞いたことがない」と話している。(石山英明)
私立理系のお手本です。
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