日経の編集委員の現段階の総括です。
改革具体化 議論深まらず
次期指導要領は学力の3要素((1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力(3)人間性や学びに向かう力)を基本理念に掲げるが、改革で導入する3つの試験((1)高校基礎学力テスト(2)大学入学希望者学力評価テスト(3)大学の個別試験)は、これに対応している。指導要領を変えても、入試を変えない限り高校教育は変わらないとの反省からだ。
改革は、今までの入試で測り切れなかった能力の評価を目指す。当初から実現性を危ぶむ声が強かったが、中間まとめ案は「コンピューターや新しいテスト理論を使えば可能」といった“逃げ”の表現が目立ち、評価が難しく手間もかかる大学の個別試験に関する議論も深まらなかった。
基礎学力テストの性格も曖昧だ。生徒の基礎学力の定着度を測り学習意欲の改善や高校教育の質向上を図ることが主な目的で、小中学校で実施している全国学力テストの高校版に近くなった。一方で入試での活用は「副次的」とされ、推薦・AOなど学力不問入試対策という機能は弱まった。
改革には課題が山積するが、中間まとめ案で解決の道筋が見えたとは言い難い。最終報告に向け議論の深化が望まれる。
(編集委員 横山晋一郎)
さすが、日経です。
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