今回の大学入試改革には以下のキーワードがあります。
◎「中教審」
◎「国際バカロレア」
◎「達成度テスト(基礎レベル・発展レベル)」
→「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学 入学希望者学力評価テスト(仮称)
◎「21世紀の学力」
さらに、今回の中教審答申では「アクティブ・ラーニング」というワードが多用されています。
上記のキーワードを分類すると
「中教審」、「国際バカロレア」、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学 入学希望者学力評価テスト(仮称)
という実質的なプログラムに対して、
「21世紀の学力」、「アクティブ・ラーニング」という理念的なワードが見られます。
理念的なキーワードをもとに今回の教育改革のそもそも論を述べたいと思います。
1970年代以降、「いじめ」「校内暴力」などで戦後教育の歪みが露呈し始めた中で、1980年度の学習指導要領以降、文部省は授業時間数や指導項目数の削減によって、ゆとり教育に舵を切りはじめました。以降1992年を経て2002年までの学習指導要領は「生きる力」をテーマに総合的学習の時間などを設けるなど、知識偏重の学校教育の改善を指向していました。この状況で学力低下の議論が起き、ゆとり教育への疑問が投げかけられましたが、特に2004年の所謂「PISAショック」は、ゆとり教育の失敗を印象付けるものとなりました。この結果2009年の学習指導要領から「脱ゆとり」が始まり、現在に至っています。
ゆとり教育の成果がうまく表れなかった一つの要因に、現場の先生方がうまく消化できないまま導入された点があります。教科内容の削減や授業削減のような物理的な変更は可能でも総合的学習の時間のような指導者の意識とスキルを上げなければ達成できない事柄について、準備がないまま導入された感がありました。
考えてみれば、授業スタイルひとつとっても、一斉授業で講義をする形式で学んできた先生自身がその形態を変えなければならないのですから、イメージできなかったことも当然ですし、多分定着するまでに10年以上の時間が必要かと思われます。
今回の教育改革は下からボトムアップさせていく方向がうまくいかなかったことを反面教師として、出口である大学入試の改革を先に行うことで、高校→中学→小学校に波及させる意図がみられます。
理念的な側面を考えてみれば、ゆとり教育の時とほぼ変わらないこと(生きる力など)が述べられてるのに加え、国際化の中でグローバルな人材の育成を考えていることは間違いありません。
まとめると、今回の教育改革はゆとり教育の正の部分(理念的)と負の部分(実践における失敗)を組み合わせて成立していると考えることができます。
教育改革の流れ(特に新学力観)とグローバル人材についてうまく書けませんでした。次回に書きたいと思います。
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