シオンセミナーでは、今年の夏に小学生、中学生を対象に音読セミナーを行います。セミナーと言ってもやることは簡単で、指導者が一文よみあげた後に、参加者が一文を読むだけです。これを2時間続ければ、名作『銀河鉄道の夜』や『蜘蛛の糸』が読み終わり、『坊ちゃん』は6時間で完了します。
この方法は『声に出して読みたい日本語』でベストセラーになった明治大学教授の齋藤孝先生が音読破という言葉で名作を読破することを目的に始めました。
前書きを少々長いですが引用します。
音読破のすすめ
あなたは、百ページ以上の本を丸ごと一冊、声に出して読んだことがありますか?おそらく「ノー」という答えが多いでしょう。
ふだんの学校の授業では、音読を長い時間することはあまりありません。
ところが、音読というのは長く続けることによって、驚くべき効果があるのです。音読で一冊読み切る方法を、私は「音読破」とネーミングしました。
例えば、夏目漱石の『坊ちゃん』を1ページや2ページ音読しても、さほど変化は起きません。しかし、一冊丸ごと音読破したときには、決定的な違いが出てきます。
その違いとは何でしょう。
ひとことで言えば、「とてつもない日本語力が自分のものになる」ということです。
音読のコツは、テンポよく読むことです。
テンポよくスラスラ読むには、アナウンサーがニュース原稿を読むのと同じように、読んでいるところより先に目がいっていないと読めません。速いテンポで読めば読むほど、先に目を送ることになり、脳を活性化させます。
つまり脳のギアチェンジが行われる感じです。日常使っている脳の状態ではなく、ギアを二つ三つくらいあげた感じで高速回転に入る。すると脳が鍛えられてタフになり、集中した状態を続けることができるようになります。
そうすると、意味がどんどん頭の中に入ってきて、日本語が身についていきます。
一冊読破することによって、『坊ちゃん』の中にある日本語の基礎すべてを自分のものにできるのです。
子どもはスラスラ、テンポよく日本語らしく読めない場合もあるので、大人が先に一文読んで復唱する方式が効果的です。
多少わからないところがあっても、どんどん次に行くのがコツです。身体でテンポよく味わうこと、やり遂げた充実感、これが大切です。自身がつきます。
『坊ちゃん』を一冊音読破するのに、たった5、6時間しかかかりません。
音読破は、身体で日本語を身につけていく方法です。
ぜひチャレンジしてみてください。
明治大学教授 齋藤孝
今年の夏、脳に汗をかきながら、チャレンジしてみませんか?
現在募集中です。
コメントをお書きください